近年、日本でも犯罪の凶悪化・低年齢化が問題視され、刑罰に関しては、死刑廃止論の一方で厳罰化を望む声が高まりつつあります。この傾向は、日本がアメリカ社会に近づいていることを暗示するようでもあります。本書は、まさにそのアメリカでの刑罰「過酷化」の背景を探る学術書です。
著者はイエール大学ロースクールの比較法学・外国法の教授であり、フランス・ドイツといった大陸ヨーロッパでの動きと対比しながら、豊富な歴史的事実によって社会学的考察を行っています。伝統的身分社会から脱却するために刑罰も平等に温和化させたヨーロッパと、もともと平等主義が強かったがために、かえって犯罪者だけを貶めるパラドックスに陥ったアメリカ、という視点はユニークで、ダイナミックな議論が大変興味深く読める一冊です。